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 ○ 多重債務状態の解消について

借金の合計額がどの程度になったら、法的手続きを検討すべきなのでしょうか。
  1.  消費者金融で200万円程度の借金をして返済に追われていても、追加借り入れを勧められたりするので、「まだ何とかなる。破産手続など法的救済措置を取る必要はない」と考えていませんか。
     手取収入から生活費を差し引いて、毎月4万円の返済が余裕をもってできないという人は、高利の消費者金融業者やクレジットカードでのキャッシングの合計額が200万円にも達すれば、法的手続きをとるほかありません。
     負債総額が200万円に達すれば、金利の支払いだけでも相当な負担になります。金利は多少高い低いはあるでしょうが、消費者金融業者やクレジット会社からの借金であれば平均すれば年25パーセントくらいはあると思われます。そうすると、年間の金利の支払いだけで50万円になります。毎月4万円を返済しても利息にさえ不足してしまいます。手取収入から生活費を差し引いて、毎月4万円の返済が余裕をもってできないという人は、法的な救済方法を検討する必要があります。
  2.  生活保護を受けて人や手取り収入だけでは生活するのが精一杯であるという人は、負債総額が50万円でも支払不能状態であり、破産の申立は可能でしょう。
多額の借金をしてしまい、月々の収入だけでは返済できずに困っています。とりうる手段としては、どのようなものがありますか。

  • @ 破産
  •  破産免責手続は、全財産を処分しても借金を全額返済できなくなった場合に、裁判所で、その時点の債務者の財産を強制的に処分して、それを債権者全員に公平に分配した上で、残りの支払を免除するのが相当かについて、事情を調査し、債権者の意見を聴いて、残りの支払を免除するかどうかを決める手続。
  •  債務者の財産が少なく、これを換価しても破産手続の費用にも足りないことが明らかな場合には、破産管財人を選任せずに、破産開始決定と同時に破産手続を終了させ、免責の手続きにはいることがあります。
  • A 個人再生手続
  •   個人再生手続は、債務者が作成した再生計画に基づき、将来の収入から債権者に一部の返済をした上で、残りの支払を免除してもらう手続。
  • B 特定調停手続
  •  特定調停手続は、調停委員会の仲介によって債権者と債務者が話し合い、その合意に基づいて返済方法等を定める手続。
  •  個人事業者や中小企業の経営者は、金融業者から借金をする際に、約定の返済期日を支払日とする手形や返済日を振出日とする先日付小切手を交付していることがあり、その手形が取り立てに回されると不渡りとなり、銀行取引停止処分がなされるおそれがあるという場合に、事前の措置として手形の取立を禁止命令を裁判所から出して貰えるというメリットがあります。
     
    もっとも,事前の措置としての手形の取立禁止命令は、執行力を伴わないため、現実に取り立てに回されたときは不渡りとなることを回避できないのですが、債権者からすれば裁判所の決定を無視して取り立てに回すことはなかなかできないもので、その決定に従う可能性が高く、不渡りを回避する有効な手段となっています。
  • C 任意整理
  •  弁護士が債権者と交渉して、残元金の一部を一括返済して残額を免除する旨の示談契約を締結するか、5年程度の分割返済で残元金全額を返済する旨の示談契約を締結するという方法。
  • D 夜逃げ
  • 夜間、人知れずに引越しをしてしまうということではなく、住民票をそのままにして転居すること。
  • このうち夜逃げは、弁護士が関与することではありませんから、そのほかのどの手続きを取るかですが、一概にどの手続が良いとは言えません。
金融業者から借金をする際に、約定の返済期日を支払日とする手形や返済日を振出日とする先日付小切手を交付しています。もしその手形・小切手が取り立てに回されると不渡りとなり、銀行取引停止処分となって事業の継続は不可能となります。なにかよい方法はありませんか。
  1.  特定調停の申立をすると同時に、事前の措置として手形の取立を禁止する命令を裁判所から出して貰って、金融業者が手形を取り立てに回すことを阻止するという方法があります。
  2.  特定調停手続は、調停委員会の仲介によって債権者と債務者が話し合い、その合意に基づいて返済方法等を定める手続です。個々の債権者との間で合意ができなければ、支払の一部の免除を受けたり、返済期限を延長してもらったりすることはできませんし、債権者が数社ある場合はそれぞれに申立てをしなければならず、弁護士としてもなかなか面倒です。
借金をしてから10年近く返済を続けていますが、借金が一向に減りません。なにか良い方法はないでしょうか。
  1. 高利の消費者金融業者やクレジット会社のキャッシングで取引期間が平均して6年以上であるという場合は、弁護士に過払金返還請求を委任すれば、お金が返ってくるか、借金がゼロとなる可能性があります。
     依頼を受けた弁護士は、貸金業者に対しては取引当初からの取引履歴の開示を求め、そのうえで、利息制限法を超えて支払った利息を残元金に充当する引き直しの計算をします。取引期間が10年にもなるという人であれば、返金される可能性が高くなります。過去に相談に来られた方で、その時点の貸金業者の請求書には残元金が100万円あまりと記載されていたのですが、取引期間が15年にもなっていたために、逆に100万円を超える過払い金の返還を受けたといいう事案など、お金が返ってくるケースが多数あります。
     依頼者によっては、「借金がゼロになるだけで十分だと思っていたのに、100万円も貰えるなんて預金をしていたみたいや」などと感謝されましたが、・・・。
  2.  もっとも、取引期間の長い借入先があるという人も、その借入先の支払のために新たに別の貸金業者から借金をしているのが普通です。取引期間が長期のものと短期のものがある場合は、過払い金の返還を受けて、その金員でもって取引期間の短い債権者の債務を支払えるかどうかの見極めが必要となります。このような場合は、一応、債務調査をしてから破産するか、過払金返還請求のうえ任意整理をするかを決めることになります。破産せざるを得ないときも、過払金返還請求を先行させて、破産申立費用に充てるということが可能になる場合もあります。
破産手続きや再生手続きといった法的救済手段を取らずに、解決することはできませんか。
  1.  弁護士が債権者と交渉して、残元金の一部を一括返済して残額を免除する旨の示談契約を締結するか、5年程度の分割返済で残元金全額を返済する旨の示談契約を締結するという方法があります(5年以上の長期分割払いの条件では示談成立の可能性は低い)。任意整理、あるいは、債務整理と言われる手続です。依頼を受けた弁護士は、貸金業者に対しては取引当初からの過去の取引履歴の開示を求め、そのうえで、利息制限法を超えて支払った利息を残元金に充当する引き直しの計算をします。
     前述したように、 依頼者の借入先の中に取引期間が長期に及ぶ業者があり、そこから過払金返還請求でもって返済原資が工面でき、それでもって利息制限法で計算をし直しても債務の残る債権者に対する返済が可能である場合は、任意整理をお勧めします。
  2.  しかし、分割返済で残元金全額を返済する旨の示談契約を締結するという方法は勧めません。任意整理は、裁判外の手続ですから、業者によっては、過去の取引の開示に応じないことがありますし、相手方が示談に応じないと、弁護士といえども示談を法的に強制することができませんので、決して容易な手段ではありません。そして、私どもの経験上、任意整理をして、すべての債権者と分割弁済の示談契約を締結しても、その後の返済の問題があります。依頼者に経済的な援助者がいない場合の多くは途中で支払えなくなり、示談契約が失効して任意整理をした意味がなくなってしまうということが多く見られるからです。
     そもそも、示談成立後、ぎりぎりの生活を長期間(5年前後)も続けることに無理があります。その間にはいろんなことがあるでしょう。子供が大きくなって(子供が増えて)生活費がかかるようになったり、病気や交通事故で入院したり、勤務先の会社が倒産したりで収入がなくなることも考えられます。それでなくとも、弁護士に相談に来られた時点で、長期間、借金返済に追われる生活をして来られ、精神的にも疲弊されておられるでしょうから、さらに、長期間にわたって借金の返済をしながら経済的に余裕のない生活を続けるということは無理があります。夫婦であれば、かつかつの生活が続けば、互いにイライラして、ささいなことで夫婦喧嘩になったりもします。そのあげくに離婚や別居に到り、二重生活で生活費が増えて示談契約に従った返済ができなくなるということも十分ありえることなのです。このようなことを考えると任意整理は、あまり勧めることができません。
  3. したがって、金融業者から借金をする際に、約定の返済期日を支払日とする手形や返済日を振出日とする先日付小切手を交付していて、不渡処分になると一気に倒産となってしまうという場合に限り、この手続を取ることをお勧めします。
 貯蓄型の生命保険加入後、病気になったため、いま解約すると新たに生命保険に加入することが難しいと言われています。破産手続きを取った場合、破産開始決定時点での財産を換価処分して配当しなければならないと聞きましたが、この生命保険契約を解約しないで済ますことはできませんか。
  1.  そもそもその生命保険契約を解約しても、20万円以下にしかならないということであれば、解約する必要はありません。もし、解約すると20万円以上になるという場合でも、その解約返戻金相当額を親族から恩借するなどして債権者に配当することができるのであれば、破産手続きをとってもなお生命保険契約を解約しないで済ますことができます。
  2.  しかし、解約返戻金が20万円以上あり、親族等からの恩借で生命保険の解約返戻金相当額を工面することができないという場合は、破産手続きではなく、個人再生手続きをとることをお勧めします。個人再生手続きでは、申立時点でのその所有財産の換価価値以上(破産手続きをとって、所有財産すべてを換価処分した場合と同額以上)を債権者への返済に充てなければなりませんが、一括弁済ではなく、3年間(最長5年間)の分割でその額を支払えばよいからです。
 住宅ローンの返済が苦しくて、消費者金融から借金をしました。しかし、その消費者金融業者への返済が負担となって、破産するしかないような状態になってしまいました。何とか自宅を残したいのですが、方法はありますか。
  1. 住宅ローン支払い中の自宅不動産(住宅ローンの残が不動産の予想処分額を上回るか、トントン程度であることが望ましい。)を残したいという方には、個人再生手続きをお勧めします。
     また、多額の高利の借金があるが、乗用車や貯蓄性の高い生命保険契約があり、それらを売ったり、解約すると50万円以上になる。しかし、どうしてもそれらを残したいという方にも、個人再生手続きをお勧めします。
  2.  個人再生手続は、債務者が作成した再生計画に基づき、将来の収入から債権者に一部の返済をした上で、残りの支払を免除してもらう手続です。
     ただし、@再生計画にしたがって返済しうるだけの収入が見込まれること、及びA負債総額が3000万円以下(抵当権等で担保される負債等を除いた額)であることが要件となります。
  3.  さらに、破産開始決定がなされると、資格を失う職業の方、すなわち、弁護士、税理士、行政書士、司法書士、土地家屋調査士等の資格,あるいは、株式会社の取締役、警備員、旅行業務取扱主任者,生命保険募集人及び損害保険代理店などの資格を有する人は、破産の決定を受けることによって、資格を喪失することになりますので、それらの職務を行うことはできません。そのためどうしても破産はできないという場合は、個人再生手続きを取るしかありません。もっとも、破産の決定を受けることによって、資格を喪失し、それらの職務を行うことができなくなりますが、それも免責の決定を受けることによって、回復し、再びそれらの職に就くことは可能となります。
過去に破産開始決定を受けたことがあるのですが、保証人になって欲しいと頼まれ、応じてしまいました。しばらくして主債務者が逃げてしまって、保証責任を追及されて再び借金をしてしまいました。免責決定がでてから(正確には確定してから)まだ7年も経っていないのですが、借金返済に追われる毎日です。生活を立て直すために、何かよい法的手段はありませんか。
  •  過去の破産手続で免責が確定した後、7年を過ぎていないと破産開始決定の決定を得ることは出来ても、免責決定を得ることは出来ません。同じく、給与所得者としての個人再生もできません。しかし、小規模個人再生手続なら過去の破産免責の有無を問題としませんので可能です。過去に破産開始決定を受けたことがあり、それからまだ7年経過していない方で、多額の借金をしてしまったという場合は、小規模事業者の個人再生手続きをとることをお勧めします。
借金の使途がギャンブルや浪費であった場合、あるいは、借金の際に収入や既存の借金について虚偽の申告をしていた場合など、破産手続きをとっても債務が無くならない可能性があると聞きましたが、本当でしょうか。
  •  破産免責手続は、全財産を処分しても借金を全額返済できなくなった場合に、裁判所で、その時点の債務者の財産を強制的に処分して、それを債権者全員に公平に分配した上で、残りの支払を免除するのが相当かについて、事情を調査し、債権者の意見を聴いて、残りの支払を免除するかどうかを決める手続です。
     借金の使途がギャンブル、遊興費や浪費であったり、借金の際に収入や既存の借金について嘘をついていた場合などは、借金をチャラにしても良いのかという問題があります。これらは免責不許可事由というのですが、破産手続では原則は免責されないことになっていますが、裁判官の判断で免責を許可することがあります。かっては厳格な運用がなされていたのですが、破産者の増加にともなって、裁判所も、このような事由があっても債務者が反省の意を示したり、一部を返済したりするなどすれば、裁量で免責決定を出すようになりました。
免責決定がもらえないのはどのような場合なのですか。
  1.  破産手続は、破産状態であることを宣告する手続であって、破産開始決定を受けたからといって、直ちに残債務を支払わなくてもよくなるわけではありません。支払を免(まぬが)れるためには、免責の申立てをして、免責許可決定を受ける必要があります。
  2.  免責の申立てがなされると、裁判所は、免責不許可事由がないかぎり、必ず免責許可決定をします。しかし、破産者が次のような行為をしていると、免責を受けられないことがあります。これを免責不許可事由と言います。

    @ 財産を隠したり、壊したり、贈与など債権者の不利益になるような処分をしたとき
    A 架空の債務計上や偽の抵当権設定など偽って負担を増加させたとき
    B 浪費やギャンブルなどによって、著しく財産を減少させたり、過大な債務を負担したとき
    C 破産開始決定を遅らせる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担したり、信用取引で商品を買い入れて著しく不利益な条件で処分したとき
    D 破産状態であるにもかかわらず、一部の債権者にのみ利益を与える目的で、担保供与したり、期限前に弁済したりしたとき
    E 破産開始決定前1年以内に、破産状態であるにもかかわらず、その事実がないようにだまして信用取引により財産を取得したことがあるとき
    F 免責申立て前7年内に免責を得たことがあるとき
    G 破産法上の義務に違反したとき
  3.  もっとも、免責不許可事由に該当する行為があった場合、一切免責が得られないというわけではありません。当該行為の程度やこれに至った経緯、今後の更生の可能性その他の状況を裁判官が総合的に判断して、裁判官の判断で免責を許可することもできるからです。そして、前述しましたように、かっては厳格な運用がなされていたのですが、破産者の増加にともなって、裁判所も、債務者が反省の意を示したり、一部を返済したりするなどすれば、裁量で免責決定を出すようになりました。
免責決定がもらえないことが分かっていて、なお破産だけする意味がありますか。
  •  過去の破産手続で免責が確定した後、7年を過ぎていないため破産できもて、免責決定を得ることが出来ない人でも、収入が少なく、生活をするのに精一杯なため小規模個人再生も無理だという場合は、破産開始決定の申立てをするしかありません。その場合、免責許可の決定を得ることはできないでしょうが、それでも貸金業者は、貸倒金として損金処理ができますので、それ以後は請求をしなくなる可能性があります。全部の債権者がそうなるとは言えませんので、破産手続終了後に請求してくる業者があることは覚悟しておく必要があります。免責が許可されなかった場合には、その後も7年経過して復権するまでは破産者としての制約を受け続けることになるばかりか、破産の原因となった債務の支払は続けなければなりません。
  住民票をそのままにして転居してから5年以上が経過し、この度、住民票を現住所に異動させたところ、債権者から多額の遅延損害金が加算された請求書が送られてきました。どうすればよいですか。
  •  転居後、5年以上、一度も支払ったことがないという場合は、あわてて貸金業者に電話をしたりせずに(支払意思を示したとなると消滅時効の中断事由となるため)、弁護士に相談して、内容証明郵便でもって債権の消滅時効を援用してもらうという方法があります。電話をしたところ、「1万円でも支払ってくれ」と言われて支払ったという場合、消滅時効は中断されましたので、時効の援用はできません。しかし、遅延損害金まで加算された借金を支払うということは大変なことですので、何らかの手段方法がないか弁護士に相談をしてみて下さい。

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